何が何だか分からない人が今回投票する為に。
●各種世論調査の結果を踏まえると、
今回の衆議院選挙(小選挙区定員289名比例176名 計465名)
で政権交代の可能性は殆どない。
投票率は低めの50%前後と恐らく予想されており、
① 予想より20%前後つまり2000万人前後の人々が
更に投票に足を運ばない限り、政権交代は起こり得ない。
あまり現実的とは言えない。
ちなみに、自民党に次ぐ第二党に躍進すると見られている、
立憲民主党の擁立候補者数は78人。
当初、自民党に替わる保守票の受け皿を期待されたが、
現在苦戦が伝えられている希望の党は235人。
大きな政権交代が起こるとしたら、この2党の連立は必須であるが、
②しかし経緯を考えるとこの2党の連立は流動的である。
●「よく政治のことが分からない自分は投票に行くべきではない」
と口にする人々をよく見かけるが、そういう方々は上記の理由で、
自らの一票が大勢に影響することは殆どないので、
安心して是非投票して欲しい。
また逆に「どうせ誰に自分一人が投票しても変わらない」と思う人々も
是非とも、今回は投票して欲しい。
これらやその他の理由で投票に行かない人々が、ここ数十年、
我が国においては絶対安定多数の最大派である。
前回の選挙で大勝した自民党に票を入れた人が約1765万人。
前回の選挙で投票自体を行わなかった人が約4922万人。
この層が行動すれば、政治は変わる。変わらざるを得ない。
政治が悪い、政治家が悪い。その通りかもしれない。
卵か先か鶏が先か。いづれにしても大多数が投票に行かないことで、
その状況は必ず加速する。
●政権交代という結果には影響がないのに、何故投票に行くべきなのか?
あまりに現政権を勝たせ過ぎである、からだ。
本来の有権者数に対して、票を入れる形で政府与党を信任している人が、
あまりに少な過ぎる。勿論、「民主主義=多数決」ではない。
無投票、無関心もまた、民意であろう。しかしその結果がもたらすものは、
本当に把握されているのだろうか?
国民の大多数の総意ならば諦めもつくが、そうでない以上、
「現政権」の方向性を私個人は容認できないものと考える。
●「政治改革」により二大政党制を目指した「小選挙区(定員289人)制度」
多くの日本人は「宗教」と「運動」やそれへの勧誘が苦手だと思われる。
「しがらみ」「利権」には飽き飽きしているだろう。
しかし、小選挙区制度で勝つ為に最も有効なのがこれらだ。
この選挙制度で勝つ為に、自民党は創価学会という宗教団体を持つ、
国民の大多数が苦手なものに最も重要な国政選挙が歪められている。
●二大政党体制にはなっていない今回の選挙の二項対立の争点は、
「国家政府の言う通りに生きるべきだ」という価値観
(自民党、それに追随する公明党/どちらかと言うと希望の党・維新)
「極力、生き方は個々人の自由に委ねるべきだ」という価値観の闘いだ。
(立憲民主党・社会民主党/どちらかと言うと共産党)
前者を是とするならば、堂々と与党に票を入れれば良い。
自分で考えるよりも、上から言われた通りに動く。
日本人の特性である。意外と楽で悪くないかもしれないだろう。
政府の正統性は、信任する票が多いに越したことはない。
政府は自信も持ってこの方向で法律や制度を決めていくだろう。
「政治に詳しくなくても、興味がなくても、何も変わらない」と思っていても、
前者の方向性に不安を抱くならば、投票に出向いて野党に票を入れて欲しい。
●現政権が「基本的人権」を制限し、国家の言う通りに生きるべきだ、
という方向性を目指しているというのは本当か?
あまり、現在の「当たり前」を自明視しない方が良い。
「当たり前」を信じていると、この点にはまさか、と思うだろう。
現政権は自由に発言し、自由に生き、自由に振る舞う国民に間違いなく、
冷淡である。それは必ずしも我が国の国民性と相性が悪いとは言えない。
かなりの支持があるのも事実である。
日本における「基本的人権」と、日本の政党と言えば「自民党」という、
2つの当たり前をここで疑ってみよう。
そもそも、「日本とは何か?」「日本人とは何か?」
歴史的にそして現代も、島々国であるが故にあまりこの問いを意識しない点が、
この国の政治にとっての幸福でもあり、最大の悲劇でもある。
日本という国の始まりを、古代から、明治維新から、敗戦後から、
あなたはどこからと考えるだろうか?
明治維新から現在に至るまでよりも、江戸時代の方がずっと長い。
明治維新後敗戦まで、日本国民は存在せず、臣民がいるのみだった。
乱暴に言えば、基本的人権の思想はキリスト教的価値観と英米法による、
「自然権」に根ざしている。
我々の国土には「基本的人権や自然権」の文化的下地は殆ど、ない。
戦後民主主義を「押し付けられて」わずか70余年、
基本的人権が当たり前に存在しているに過ぎない。
現政権の中心は明らかにこの「戦後民主主義」を敵視している。
表立っては言わない。批判され、一般の支持を失うのは明らかだからだ。
しかし実際の行動はそれを物語っている。