補項 iDeCoで投資本来の利益を得る為に何に投資すれば良いのか?

【 投資本来の利益を得る為に–どこに何に投資すれば良いのか?】

⚫️前書き⚫️

第1、2項をお読み頂きありがとうございます。
よく分からないな、というのが印象だという方も多いと思います。
その感想は正解です。それがスタートだからです。
・よく分からないのは当然で、でもそれではダメですよ。
・まず、よく分かっていないことを把握しましょう。
・結局どうすれば良いの?という解決策を求めるにしても、
    安易な損得勘定は成立せず、いつ何を得したいか?が重要です。
・それをみつめる作業を怠ると手数料だけ取られて損しますよ。
ということを、申し上げてきました。

至らぬ点も多い文章ですが、是非引き続きお付き合い下さい。

 

『別に投資でお金を増やすことに興味はない。お金は減らなければいい』
という声は根強く、預貯金で貯蓄をする人が未だ多数派です。
だからこそ投資では「節税効果」が強調されます。
第1項の通り、iDeCoは節税効果が絶大でかつ対象者も広いので、
この傾向が顕著なことを懸念しています。お金が増えるかは分からなくとも、
『払うお金が減るのならば、まあいいか』となり得るわけです。

 

 しかしですね!!

 絶大な節税効果をうたって宣伝したり、
 必ず加入するべきと勧めるのならば、
 それらは、節税メリットを確実に享受できる加入の仕方と
 セットで行われるべきだと思いませんか?

 

 

ところが、そこまでの説明を目にすることは、まずありません。
『分かりやすさ』に群がることと『分かりにくさ』から逃げることは、
崖に向かって進む大群に身を投じることとイコールです。
 ※『じゃあiDeCoやめとくよ』という訳にもいかない辛さは、
     第3項以降で述べさせて頂きます。

 

iDeCoは「元本確保型」「元本確保型でない」商品のどちらかを選択します。
(積立金額=掛け金の範囲内で両方を混ぜることも可能です。)
日本人が預貯金以外の金融商品を選ぶときは、「元本確保型」が大好きです。
理由はともかく、結果として「手数料」への意識が低い。
意識が低いのだから、割高に払う可能性は高い。
ただしニーズが高いのでコストが下がり、手数料は抑えられている。
「元本確保型」は手数料の金額が明らかではない代わりに、
手数料を差し引いても掛け金を下回らないことが約束されています。
よく分からない人向けと言えるでしょう。

 

【第2項】のおさらいです。
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確実性を取るならば上限金額全額を「元本確保型」にして、
節税メリットのみを狙うのが効果的です。
「元本確保型」商品はどこの金融商品を選択しても、
必ず選択肢に入れられているので、必然的にiDeCo加入の手数料が
最低の2004円に抑えられる金融商品が必須です。

年収700万円以下でも大半の方が、掛け金2万円の場合、
少なくとも年間40000円以上はお得だと思います。
(勿論、個々人によって異なります)
年間24万円の投資で年4万円を利益とみなすと破格の利益率です。
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上記を知らずに「元本確保型でない」商品を選択した場合は、
この破格の利益(=節税効果)を吹き飛ばす「リスク」を背負います。
日本語ではお金が減る危険性というイメージですが、
お金が増える可能性と減る可能性のセットが「リスク」です。
「元本確保型」も金利は低いとはいえ、お金が増えるのだから、
「リスク」があります。ただ「リスク」が少ないだけです。

 

当補項の趣旨は「元本確保型でない」商品を選択して、
投資本来の効果でいかにお金を増やすか?です。
結論を先に述べましょう。
この選択は実質、積立型の「投資信託」が相手になる以上、
お金を増やす為に、

 

どうすれば良いか、答えはありません!

 


3年間、時々積立型「投資信託」について勉強していますが、
まず仕組み自体が非常に複雑です。そして手数料の計算が非常に難しい。
正確な手数料の情報と解説は、ネットレベルでは皆無に等しい。
恐らく、個別の商品開発者レベルじゃないと全容は把握していないと思います。
投資信託を営業する人々も、積立型はよく分かっていないのが実情です。
iDeCoを設計した人もよく分かっていないのではないでしょうか?
もし分かっているのならば、かなり悪質です。
絶対安定多数の理解していない国民をカモにして、
誰かに利益をもたらそうとしている意図が明白です。
実際は、預貯金から投資にお金を移動させる目的なのが、関の山でしょう。

投資信託の仕組みについては省略します。
基本的には少額のお金を持つ素人が、
スケールメリット分散投資とプロの運用成果を享受できる、
素晴らしい仕組みです。色々な種類があるので、
自分で好みの運用方針であるファンドを選ぶことができます。

大まかな種類は以下の2種類です。

・インデックスファンド 例えば日経平均株価の様に、
誰かが決めた平均の通りの運用成果を目指します。
手数料は安め。リスクも小さめ。

・アクティヴファンド プロの勘と手腕にお任せです。
手数料高め。リスクも大きめ。

 

●一括購入(積立一回)型ならば、話は単純です。
リスクを大きく取りたいか否かでどちらかに決めて、
更に好みの投資先(国内か海外か?株か債権か?全部か?)を選び、
なるべく安い時期に購入し、手数料が取り返せる程に値上がりした時に
売却すれば基本的には利益は出ます(税金は取られますが)。
アクティヴファンドは自分では値上がりしているかどうかが分かりません。
しかし販売会社の担当としっかり連絡を取れば良いだけです。
ただし、お気づきの通り買うタイミングと値上がりに関しては、
本質的には博打要素があります。買った時期より値上がりがなければ、
利益は出ません。大多数の方が思い浮かべる「投資」です。

 

●買うタイミングと値上がりの博打要素を排したのが、積立型です。
一方で売るタイミングには一定の制約がつくケースがあります。
iDeCoも積立終了のタイミングが決まっています)
時間を味方にすることで、リスクが小さくなります。
ドルコスト平均法と呼ばれる手法です。)
一括積立よりも少額でできます。
月々払いが基本なので、貯蓄積立のイメージです。

 

●ところが、投資信託の積立型は意外と厄介です。
iDeCoも制度上原則、積立型です。
「元本確保型」ではない投資信託を選択すると、
最低2004円の加入手数料とは別に、更なる手数料=費用が取られます。

投資で利益を得る為には、手数料=経費以上を稼ぐのが鉄則でした。
手数料はなるべく下げたいところですが、積立型の手数料は、
一括型とそんなに違いがありません。
主に気にするべき手数料は運用管理費用(信託報酬)です。
これまでなるべく避けてきた%で必ず、表されます。定額ではないのです。
一般的にはリスクが大きい程、手数料は高いので、
手数料を下げることを第一にすると、見込める利益も小さくなります。
時間をかけた投資という特性上、一年単位の判断は難しい。
またリスクを小さくする為の「ヘッジ」をつけても手数料が上がります。

 

そして何より、一括購入型との最も大きな違いが、
積立型の利益を産み出すのはファンドの値上がりではなく、
値下がりのボラティリティー(価格変動の度合い)であることです。

 

最も利益が出るのは、積立期間の間、一貫して急降下に値下がりをしていて、
60歳以降の売却時直前に値上がりする場合です。
上記を全て理解の上、
手数料とボラティリティーを踏まえた過去の「利回り%」実績と、
今後の予測「利回り%」の資料を比較できれば良いですが、
現実的には資料を集めて見極めるのは、厳しいと思います。
「利回り%」ひとつを理解するにも単利なのか複利なのか、
何に対する「利回り%」なのか?などと見るべきところが煩雑です。
この辺りはさっぱり分からなくて構いません。とにかく、
手数料以上の利益を出せるかの計算が非常に困難だということです。

とはいえ老後値上がりを待つこともできますし(手数料は取られますが)、
仮に30歳から年収700万円の方がiDeCoに月2万円掛ける場合、
・年間4万円までは損しても良い
・30年の時間がある
というのは大きな利点です。
外国(米国)株式中心で、インデックスで手数料の安い商品を選んでおけば、
利益を得るのはそんなに難しくはないと思います。
ネットのおすすめの投資信託は大抵上記に当てはまるので、
iDeCoの選択肢にあれば、それでも構いません。
ただし、為替ヘッジがない方が費用は安いですが、
円安が進むと想定すると掛け金が年々減るのと同じことです。
円高が進むと想定しても、年々資産価値が減るのと同じことです。
間違いのない投資信託というものは、ありません。
いっそ、アクティヴも面白いと思います。一般的には、
老後の年金退職金の積立名目には、リスクが大き過ぎますが、
毎月節税効果を享受しつつ、老後の為に一か八かの姿勢を持つのも、
楽しそうです。増えた場合は、凄い金額になるのですから。
要は、自分がどういうリスクを取っているかを理解していれば、
人それぞれの選択が正解です。